紅葉落葉、11月を歩く
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- 日記
季節は、ヴィヴィッドからモノトーンへ移ろいつつある。
11月半ば、信濃路。
諏訪大社下社へ。まずは秋宮に参拝。
標高1000m界隈の小淵沢では紅葉は終わっていたが、ここでは境内の木々たちに活気がある。
(諏訪大社あたりは標高700m)
標高を巡る紅葉狩りもまた楽しい。
秋宮から春宮へは、約1.2kmの中山道。
本陣や史跡など江戸の風情が残る旧街道をゆっくり歩いてみる。
道すがらに見事な紅葉に出会う。
鮮烈な立ち姿を仰ぎ見る。
背景の青空は澄み切って、どこまでも高い。
春宮と、
万治の石仏。
周囲に広がる杜の散策路は鮮やかに彩られていた。
11月の終り。
八ヶ岳から西へ350kmばかり走り、久しぶりの京都へ。
現地の友人に連れられ、今宮神社を参拝した。
緑葉から紅葉へ。
美しい季節のグラデーション。
紅葉はこれからでもあり、真っ盛りでもある。
ちなみに、京都の標高は約50mと知った。意外に高い。
標高を辿る紅葉狩りは、長い時間をかけて楽しむことができる。
それにしても不思議なのは、京都で感じる空気感だ。
一千年の長きにわたり熟成された伝統文化に裏打ちされて、目にするすべての風物密度が濃い。
自然の風物を取り入れる緻密な計算が、そこここに行き渡っている。
視覚・聴覚・味覚など五感に訴えて、訪れる者たちに“何か”を残してくれる。
“何か”は、場所により、時期によりさまざまだが、それを受け取る感覚作業に心が躍る。
いつも新しい発見があるからだ。
京都の北に車を走らせる。
北山杉が林立する狭隘な山道を抜けたところに、岩戸落葉神社がある。
紅葉ではなく落葉。
その枯感、侘び寂び感が良い。
知る人ぞ知る知る場所なのであろうが、こういう場所は、地元の人と一緒でないと、なかなか来られない。
落葉図。
境内の黄葉は、光と影に支配され、絵画的な印象を残してくれる。
紅葉と落葉は、季節を繋ぐあわい。
見えたものが見えなくなり、見えなかったものが見えるようになる。
外界の主役は少しづつ交替し、季節がくれてゆく。
八ヶ岳には、すでにモノトーンの季節がやって来た。
実際のところ、一年で一番だと私は思っている。
長い冬を迎え、八ヶ岳はベストシーズン。
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