楽しくなければアルファじゃない!
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- 日記
「アルファロメオは常に過去形で語られるクルマである。」
もう20年以上前に自動車評論家下野さんが書かれた記事の一部ですが、あるある!と妙に納得したので、このフレーズ、今でも記憶に残ってます。
昨日のことは忘れても、大昔のことは覚えてる。
まー、そんなお年頃なんで。てへへ。
1990年代は、アルファロメオがフィアット傘下に入り、FFアルファが量産された時代。
DTM大活躍のおかげでアルファ人気に火がついて、アルフィスタと呼ばれる人々が増殖しました。
犬も歩けばアルファに当たる状態だったんです!
あ、ちょっと言い過ぎましたけど。
ただ不思議なことに、アルファロメオは、新型よりも旧型が好まれる傾向にありました。
例えば、155が出た時は「75の方が良かったかも。」とか、156が出た時は「155の方が好きかも。」とか。
それが、冒頭の<過去形>フレーズなわけです。
いわゆる<アルファロメオ 昔は良かった症候群>は、有名な<最良のポルシェは最新のポルシェ法則>とは対極にあったのでした。
私自身の90年代は、2000GTVと164の新旧紅白アルファ2台体制でした。
自分としては<昔は良かった症候群>も理解はできましたが、当時のモダンアルファである164もとても気に入っていたし、アルファロメオは、新旧それぞれが魅力的でした。
何を隠そう<アルファロメオ おせちもいいけどカレーもね!症候群>の人だったんです。なんのこっちゃ。
思うに、アルファロメオは、
1. 運転して楽しい
2. 音が良い
3. アクの強いかっこ良さがある
が新旧世代の共通言語。
その本質は、「乗って、眺めて、音を聞く。」
これに尽きます。
加えて、
4. 頼みもしないのに壊れてくれる
5. 小回りが効かない あるいは 真っ直ぐバックできない
6. オーナー(アルフィスタ)がやたらに熱い
7. オーナー同士の結束力が強い(アルフィスタ血盟団)
と言ったところですかね。
もっとも4と5については、ネガティブ要素ですが、その欠点を補って余りあるのが、アルファロメオの魅力。
清濁併せ呑む度量が、オーナーには求められました。
要は、ちょっと面倒臭いんです。
華もあれば毒もある。
山あり、谷あり、峠あり。
人生に必要なことはアルファロメオで学んだ。
♪ 人生楽ありゃ苦もあるさ〜 ♪
例えるなら、<アルファロメオ いつも心に水戸黄門の主題歌理論>みたいな。
この蛇の紋所が目に入らぬかー!ははーっ!みたいな。
長年アルファに乗っていれば、もれなく大小トラブルを体験できます。
ハズレなしの宝くじ、じゃなかった、アタリなしの逆宝くじと言いますか。がっくし。
良いことないじゃん!えーんえーん。(と泣く)
でも、そうではなくて、これは一種の通過儀礼。
マリア様から与えられた試練なんです。
そのトラブルを乗り越えてなお、アルファロメオに乗り続けられるか?
その障壁を乗り越えてなお、アルファロメオを愛せるか?
難局に直面して、ロミオとジュリエットの気持ちが試されているんですね。
ん?ちょっとカッコ良くない?
さて、令和元年、西暦2019年、アルファ歴109年、新生アルファロメオはどうなっているんでしょうか?
自動車界ではSUVに人気が集中し、セダンに取って代わるスタンダードな存在となりつつあります。
犬も歩けばSUVに当たる状態です。
SUVは、人も荷物ものせられ、街中から高速、雪道まで場所と条件を問わないオールインワンの優れた道具力で、多くの人々の心をガッチリ掴んでいます。
都会にあって1台しかクルマを選べないなら、やっぱりSUVだよね、みたいな。
ただし、SUVに欠けているものがあります。
それは、運転しても、あんまり楽しくないもんね、って話。
クルマ=道具と捉えれば◎、クルマ=玩具と捉えれば△。
しかし、多くのアルフィスタがアルファロメオに求めるのは、道具力<玩具力。
いかに道具として優れていても、面白くなければクルマじゃない!的な。
じゃあ、運転して楽しいSUVを作ってしまえ!とアルファロメオは、あはは!あはは!と無邪気に考えました。
そして、満を持しての回答が、ステルヴィオ!
ん?回答ステルヴィオ ?怪盗ステルヴィオ ?なんかいいかも。
車高の高いSUVにも拘らず、無謀にもアルプスの峻険なステルヴィオ峠から名前を取って来ました。
「SUVだけど、俺っち、峠も攻めちゃうもんね!」みたいな。
物理の法則もへったくれもありませんけど、その名前に<ハンドリング・ファースト>に懸けるアルファロメオの決意が示されています!キラーンッ!(と目が光る)
やるじゃん、アルファロメオ !
そんなこんなで、ステルヴィオが、ちょっと気になってる今日この頃。
次回、ステルヴィオ乗っちゃいました編に続きます。
【おまけコーナー】
古いアルバムを漁っていたら、懐かしい写真が出て来ました。
これは、98年の東西ミーティングで提供されたアルファロメオ弁当。
2000円也。これには感動しましたっけ。
こっちは、99年のスプリングミーティングで目撃したアルファロメオピザ。
馬鹿馬鹿しくも美しいアルファ愛に溢れてますよね。
ぜひYGHのピザ窯でもマネして作ってみたいです!
COMMENT
20年分の懐かしい写真と共に当時の思い出もよみがえってきます、最新のジュリアとステルビィオ、試乗イメージでファントゥドライプ度80%という感じでした。
ステルヴィオ の試乗記を書こうと思ってたのですが、前フリが長くなっちゃいました。
アルファロメオは時代が変わっても、変わらない魅力がある。
それがなんだろう?とあらためて考えたのですが、妙に熱くなり、長文になってしまいました。
ステルヴィオ は、アルファ初のSUVで、巷間では、SUVにあるまじきハンドリングなどと言われていたので、どうしても乗ってみたくなっちゃいました。
ですよね〜。
カッコよくて、よく走って、音がいい。
やっぱり単純にそういうことですよね。
でも単にカッコいいだけでなくて実用性もあるので、日常の足にも使えるしロングトリップもできちゃう、そういうオールマイティさが、ずっと長く乗り続けられる理由でしょうか。
加速の時の音も気持ちいいですけど、パーシャルスロットルで高速道路を巡航している時のエンジンの音とフィーリングが気持ちいいんです。パーシャル巡航が気持ちいいクルマってあんまりないんですよね〜
あとは乗ってる人がおおらかというか、適当というか、「○○じゃないといイケナイ」みたいなめんどくさい事言う人がいないのも良いですね。イーじゃんイーじゃん、カッコイーじゃん!みたいな。
まあ、たまに壊れたりいろいろありますますけど、それが人生ですね〜
乗って、眺めて、音を聞く。
シンプルですが、クルマ好きに刺さる3大要素だと思います。
アルファロメオは、それを日常的に楽しめる数少ないクルマだと思います。
特別すぎないけど、差別化はできますし。
築40年物のジュリアは、数日間で2000kmもの距離を走ることができちゃうし、近所のコンビニに買い物だって行けちゃいます。オールインワンとは言えませんが、道具力も侮れませんよね。
「走る、止まる、曲がる」の基本性能は、現代車と遜色ないか、あるいはそれ以上かも。
ないのは、快適装備と安全装備と環境性能くらいでしょうか。
あ、けっこうないか。
こうしたクルマの魅力もさることながら、何十年もアルファロメオに乗り続けられるのは、アルファロメオの愉快な仲間たちがいたおかげで、それが一番だと思っています。
細かいことを言わないとか、テキトーとか、それがいいですね。
辛いトラブルも笑い話に変えて、いつもヘラヘラ笑っている。
そんな人に私はなりたい。
って<アルファロメオ 雨ニモ負ズ 宮沢賢治症候群>でした。