歳月シトを待たず
コメント 2件
- 日記
喜びは、長く待った分だけ大きくなる。
古来よりそんな思いがある。
でも、実際にはどうなのだろう?
始まりは3年前。
コロナが世界を席巻する少し前のこと。
2019年3月、何を血迷ったのか、シトロエン専門店アウトニーズさんにDS21をオーダーしてしまった。
電信柱の影からずっと見守っていた憧れのクルマ、自分には高嶺の花だった。
1967年式。
シャーク顔初期モデルで、メーターは過渡期のレトロフューチャー仕様。
55年前にイマジネーションされた宇宙船は、アナログと未来が混濁する独特の世界観を持っている。
自分にとっては、この組合せがベストDS。
1年とちょっとしか生産されていない少数モデルである。
オランダで個体を探してもらい、個人オーナーと交渉の後、譲ってもらった。
シャンパンゴールドの色合いは、上品な雰囲気を醸し出している。
しかし、これはあくまでもレストア用のベース車両である。
状態次第だが、修復に1年半から2年はかかるだろう、と。
内容的には、ボディ修復、全塗装、ハイドロライン引き直し、エンジンOH、内装張り替え…などフルメニュー。
もしも順調に完成すれば、ギリギリ還暦に間に合うタイミングだ。
つまりは、自らへの還暦祝。
最後の趣味車となる。
まずは、色決め。
シャンパンゴールドも悪くはないが、この際、自分の好きなカラーに色替えすることにした。
還暦だから、ボディカラーは赤!
と直感的に思ったが、実車を見て色合いが今ひとつピンとこなかったので…
内装のタンと相性が良いディープブルーへ方向転換。
オリジナルサルーンにはなく、カロシェ アンリ・シャプロンによるデカポタブルが採用したロイヤルブルーに決定!
色を決め、あとは2年ほど待つ。
ただし、コロナ何某があり、作業やら輸送やら、すべてにおいて遅れが生じ、実際に2年と10ヶ月かかったが…。
いずれにせよ旧車の場合、遅れるのは想定内。
レストアは、待つのが仕事。
旧車乗りは、そんな変わり者だ。
オランダから日本へ。京都から八ヶ岳へ。
冬のある晴れた日、女神様(ディエス)は積車に乗って現れた!
初めて目にする完成体!素晴らしい!
そのスタイル、その輝き、その佇まい。
陽光眩しい八ヶ岳の空の下、ロイヤルブルーが鮮やかに映える。
オランダでもない、京都でもない、八ヶ岳のDSが最も色彩感を強調している。
天空との相性が良い。
標高1,000メートル。八ヶ岳で見る宇宙船は、少しだけ宇宙に近い。
八ヶ岳ブルーの下にロイヤルブルーのシトロエンDS21。
令和4年1月27日。女神が地上に舞い降りた。
還暦祝は、還暦アフター祝になったが、やはり、長く待つほどに喜びは大きかった。
それは間違いない。
歳月シトを待たず。…だが、待てばシトロの日和あり。
COMMENT
おお〜っ!遂にシト襲来!!!
おめでとうございます。㊗️還暦アフター。
ロイヤルブルー美しいですね。是非見せてくださいね。て言うか、見に行きますw
おおっつ!エヴァンゲリオン的な!
しっかし、アフター還暦なので、その辺りはよくわかりません!的な。
ロイヤルブルーは、なかなか良い色で、味わい深いっすね!おフランス的な。
是非是非、見にきてくださ〜い!